ゲンコツ

2011 年 11 月 3 日 : by Pict

久々の書き込みです。

5月の末にアキレス腱の手術を余儀なくされ、3ヶ月ほど休んでいました。
3週間の入院、その後の自宅療養、と外出できない日々が続き最近やっと、杖をつけば外出が可能になりました。

多くの方々にご迷惑をお掛けしていることをお詫びいたします。

その間、病院にもiPadとモバイルルーターを持ち込んでいたので、仕事を続けながら??? 持て余した時間を随分ネットオークションを楽しみました。(というかずいぶん散財しました..)
で、本題です。
”ゲンコツ”をご存じでしょうか? 私は学生時代を京都で過ごし、授業をサボっては河原町界隈のJAZZ喫茶に入り浸って4年間を過ごしていたのは良い思い出です。
その時代、(40年ほど昔ですが…)数ある京都のJAZZ喫茶の中でも、ビッグボーイ、ブルーノート、蝶類図鑑、シアンクレール等が有名どこでしたが、今は殆ど無くなってしまった様です。その中でマイナーですがオーディオ好きの人間がよく通った百万遍近辺のJAZZ喫茶(名前は忘れてしまいました)で鳴っていたのが通称”ゲンコツ”(正式には「8PW1]後に「20PW09」に改名)でした。校内放送用みたいな小さな箱に入っていたのですが、なぜか300Bシングル(真空管アンプ)でドライブしており、当時全盛のJBLMacintoshラインとは全く違う趣で、ボーカルをしっとり鳴らしていたのを覚えています。
8PW1と言うスピーカーは松下電器製の20cmダブルコーンのフルレンジスピーカーで、球形のイコライザーがゲンコツのような形で愛称になっていました。(実物は赤ん坊のゲンコツ程度ですが)発売されたのが1954年11月、生産販売の終了が1984年とされています。30年の長きに渡って”ゲンコツ”の愛称で親しまれ、使われてきた事になります。1984年の販売定価が3,900円だったそうです。当時のフ国産ルレンジスピーカーとしては、三菱ダイアトーンのロクハンP610Aと双璧の製品でした。

その”ゲンコツ”がオークションに出品されているのを見つけてしまい、懐かしさのあまり懐具合も考えず落札してしまいました。構内放送用のSPの保守用として保管されていた物らしく全くの未使用品、ターミナルやボイスコイル引き出し線もピカピカです。製造終了が1984年なので、少なくとも25年は眠っていたことになります。

 

30年の眠りから醒めた20PW09

25年の眠りから醒めた20PW09

入手したときは、例の「南アルプスの天然水」の段ボール箱にでも入れようと思っていたのですが、オーディオ仲間の連中が口をそろえてチャンとした箱に入れろとのお達しがあり、何年かぶりにスピーカボックスを制作する羽目になってしまいました。(身体障害者なのに…)
あまり手間をかけたくないので、材料は塗装済みの棚板(ゴムの木の間伐材とかで、結構重い割には、加工がしやすい。)これをホームセンターでカットしてもらい(0.5mm以下の精度でカットしてくれます。)接着剤と木ねじで組み立てるだけです。サランネットの工作も面倒なので、スピーカーにはアルミパンチングメタルのグリルを付けることに。
不自由な体で、他のこともやりながらの作業なので一月以上かかってしまいましたが、先週やっと箱が完成し音を出すことが出来ました。

ゲンコツの由来のイコライザー球が独特

あまり飾り気のない出来です。

 

自室で特性を測定してみましたが、まあカタログに近い特性です。容積が小さい分f0が上昇しているのは予想通りで、本来ならばダラダラ下がっていくはずなのですが、低音の50Hzにピークが出ています。小さい箱のせいなのか、部屋や測定系の原因なのかは今のところ分かりません。

周波数特性はPinkNoiseで計測

 

で、音はと言うと…
マア予想どおりと言うか、予想を上回ると言うか…。 所詮20cmフルレンジを40リットル程の密閉箱に入れただけなので、殆どノスタルジーで組み立てた物なのですが、予想通り女性ボーカルやサックスなどの小編成コンボなど、気持ちよくならしてくれます。ビッグバンドやオーケストラは最初から相手にしていないので、ナローバンドで十分です。最新の録音には合っていないようですが、50~60年代の録音を夜静かに聞くと言う目的は達成しています。低音の鳴り方に詰まったところがあるのは箱のせいかと思いますが、暫くはこのままで聞き込んでいこうと思っています。
しかし、50年前に設計されたスピーカーがこれほどの音を出してくれるとは…..、

次は50年前の真空管アンプですかね…

コメント / トラックバック 5 件

  1. TannoiMan より:

    ゲンコツとは懐かしいね。
    ゲンコツでジュリーロンドンを鳴らしていたのを聴いてその色っぽさに引かれ小遣いをたたいて¥1800のレコードを買ったのを思い出しました。
    でも、当時私はメカニカル2ウエイで出たパイオニアの PIM-8(1本¥2000ぐらいでしたかな?)を1本を買い、材木屋の同級生から木材をもらって手製エンクロージャーを作って聴いてました。
    でも、箱作りなどしてアキレス腱大丈夫ですか~ぁ

  2. Pict より:

    そうなんですよね、女性ボーカルは中々のモンです。
    ハイエンドオーディオとは少し離れて、気楽に音楽を楽しむこぢんまりしたシステムです。
    足が不自由なので、大きな物は作れないし、出来るだけ体を動かさずに作ろうと考えました。
    JBLのTrimLineの様な薄型で(H60 x W51 x D13 cm)壁に取り付けたかったのですが、ドローンコーンは無いし、鴨居の上も40cmほどしかとれないため、こんな形になりました。
    板のカットはホームセンター任せ、紙やすり等を使わずに組み立てできる様、1mm以下の精度で設計しました。
    精密にカットされていれば、後はプラモデル並みで、大型のクランプで締め付けながら、
    接着剤と電動ドライバーで組み立て完了。
    壁に取り付けるのは、足がもう少し良くなってからでないと危ないので、もう少し時間が掛かりそうです。
    今は、これを鳴らす三極管シングルアンプを計画していますが、いつになることやら…..

  3. TannoiMan より:

    焦らずあせらず・・・。
    お歳を考えて。その気でイザやろうとするとからだの動きが違っているのでガクゼン!です。
    先日、ダイヤトーンP610とQUAD33+405を置いてあるダイニングで何年ぶりに鳴らしたら
    音が歪むので見たらエッジがだめになってました。20年以上も前にイベントのPAで16個使った
    ときのもので、当時2000円ぐらい。しょうがないのでヤフオクだったら500円ぐらいであるだろう
    と見たらなんと10000~35000円ですと!自分でセーム革で貼ってみようかな。
    mono用ガラード301の箱を作ったのが切っ掛けでまたアナログレコードを引っ張り出して
    聴いています。序でに奮発してオルトホンSPUmonoとSPUClassicGEまで買って
    しまいました。SPUGEの時代からで当時35年ぐらい前で25000円でした。それ以後使い続けて
    おそらく20本は買っているとおもいます。今や価格は5倍。200時間が磨耗限度と言っていたので、
    聴くときは全身全霊吸い取り紙のようになって聴きこんでいかないともったいない。・・・と構える
    のですが・・・つい、ビール→いも焼酎へと、仕事の疲れもあってウトウト。気が付くと13時すぎ。飲んで帰ると聴きたくなるのよね~

  4. TannoiMan より:

    ごめん「気が付くと夜中の1時すぎ」でした。

  5. Pict より:

    ウレタンエッジは駄目ですね。私も昔P610は2本駄目にしましたし、Altec 405は4本ともCF404に入れ替えました。
    301でオルトフォンですか…. ウラヤマシイ。 LPは結構持っているのですが、最近はあまり聞いていませんね。
    ついお手軽なCDに手がいきます。来年は新しいプリアンプでも作ってLP聞こうかな…