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夜間徘徊

2009 年 10 月 30 日 金曜日
10年前フイルム写真がまだまだ全盛の頃、デジタル一眼レフカメラといえば、業務用途のごく限られたものしかなく、素人は愚か、プロフェッショナルですら簡単に手が出せるものではなかった。しかも性能も(銀塩写真と較べてしまうと)さほど良くなかったので、フィルム世代からすると、これで”作品”を撮るなどとは当時考えられなかった。
しかし水面下ではデジタル化が着実に進行していて、3年も経たないうちに次第に形勢が逆転し始めるのだから、いつかこうなるとは覚悟してはいたものの、その速さには驚いた。
増上寺

増上寺

現代のデジカメは安価なものでもすばらしく良く写るのだが、不満もある。
なかでも高輝度側の階調再現がまだまだ、といった印象がある。ダイナミックレンジが狭いというのか、ある一定レベルを超えると一気に飽和してしまう。ヒトの見た目とのギャップがあまりに大きく、屋外撮影ではこれが一番の不満である。画素数増やすよりも他にやることがありそうだと常々思うのだが、素人が口を出すことではないか。
綺麗な写真を撮れるようにと、各社力を入れて開発している分野であるので、いずれ解決されるであろう。
それまでは、あきらめるか、後処理で何とかすることを考えるしかなさそうだ。

そういえばフィルム時代に、レベルを変えてスキャニングした数枚の画像を合成するとか、露出を変えて撮った数コマをデジタル合成するとかで、シャドーやハイライトの不足を補完するような画像処理をしたことがあるのを思い出した。しかし手作業なので、えらく手間のかかるものである。
過去モノクロ写真などもやっていた時期があって、現像やプリントの暗室ワークで自在にトーンを変化させることが出来た時代が懐かしい。

いろいろ調べてみると、最近そういった処理を自動化するソフトウェアがあるようで、デモ版もあるので早速試してみた。
使い方は至って簡単である。
露出を変えられるカメラ(もちろんデジカメ)ならどのようなものでも良い。
撮影の段階で、合成を意識しつつ、1EV刻みで露出を変化させながら、5~9コマぐらい撮っておく。これだけ。三脚が必須なのと、カメラに触るとフレームがずれる可能性があるので、オートブラケット機能があると便利だ。
この中から数コマをソフトウェアにロードすると、+-適正を自動で判別して、シャドー、ハイライト、中間調の「いいところ取り」した画像が合成される。いくつかのパラメータを調整して好みの画像に仕上げて行く。
果たしてこれが正しい方法なのか分からないが、とりあえずそれらしい絵になった。

増上寺

増上寺

ちょっと大げさに処理して、ありえない画像にしてみる。このお寺は夜間ライトアップしていないので、非常に暗いのだが、背景とのバランスがとれているのが分かる。ちなみに一発撮りでは、空や背景はカッ飛んでいた。(東京の夜は明るいのだな)

Web上にもこういった画像がたくさんんアップされていて、先達は独特のアート風に仕上げているモノが多く、私のはそのすばらしさの足元にも及ばないのであるが、方向性は違いなく、こういう感じで使うソフトなのだなと確信した。
HDR(High Dynamic Range)イメージというのだそうだ。「そのまんま」の命名である。
最近は一芸に秀でた画像処理ソフトが多いのが楽しい。
これらは飛び道具的なものなので、先にやったもの勝ちだ。写真表現としては決して万能ではないし、いじりすぎるのもどうかと思うが、見たことのない絵画のような画像が出来上がる。なかなか面白いアプローチではないか。
飽きるまでしばらく遊んでみることにしよう。

増上寺

増上寺

芝公園から東京タワー

芝公園から東京タワー