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オルソンアンプ

2012 年 3 月 10 日 土曜日

Olson Type Amp

前回50年前のスピーカ(ゲンコツ)を鳴らしてみたので、今度は同じ時代のアンプを作りました。

表題の「オルソンアンプ」はRCA研究所のハリー・オルソン博士が、1947年に、ボストン交響楽団の生演奏と、スピーカ(RCA LC1A)からの再生音のすり替え実験を行うために、設計・製作されたアンプです。
当然その時代では真空管しかなく、出力もたかだか5W程度で、昨今の数十~数百Wクラスのアンプと比べると見劣りしますが、どの程度の音がするのか聞いてみたいと思っていました。
アンプの特徴は、出力段は五極管(RCA 6F6)の3極管パラレルプッシュプル、無帰還、45回転のレコード再生用のプリアンプが付いています。回路はシンプルで、まるで電子回路の教科書に出てきそうなくらいで、色々な資料に出てくる物理特性も今時のアンプに比べれば貧弱なものの様です。
今回製作にあたり、部品は極力手持ちの部品(ポックリジャンク)を使用することとし、細部まで拘ったイミテーションは諦めます。
(真空管等は、当時のものが手に入りますが、CRやトランスなどは手に入れることが出来ず、又手に入ったとしても経年変化が予想され、あまり使いたくありません。)その雰囲気を再現しようと言うことです。
マニアックな人から見ると「これはオルソンアンプとは言えない」と言われそうですが、所詮趣味の世界なのでお許し願います。
ステレオアンプとして製作するため、手持ちの部品ストックを調べ、以下のような方針で製作しました。
1)パラレルppは諦め、シングルpp ステレオアンプとする。
2)手持ちの電源トランスの関係で、電源電圧は345Vとする。(オリジナルは380V)
3)初段の6J5プリアンプは省略する。
4)電源にチョークコイルを挿入し、ノイズの低下をはかる。(これは手持ちのOPTと同型のチョークがあったため、デザイン上の好みで採用しました。)
5)  極力手持ちの部品を使用する。真空管6F6もRCAの新品が1ダース近くあるので、プレート電流が2%以下のペアーを2set確保できました。
トランス類も、タムラのF685が2個有り、チョークもしかりです。F685のインピーダンスが8KΩなので、あっさりパラレルプッシュプルを諦めました。
レイアウト図
最近は、シャーシレイアウトをMacで作り、原寸でプリントしたものをシャーシーに貼り付けポンチを打ち、穴を空けます。
回路図もCADを使うようになりました。
部品の取り付けがほぼ完成。ケース、トランスを含めて殆どの部品が手持ちで済んでしまうというのは我ながら驚き。いかに長期在庫が多いか…
回路はシンプルなので、配線はゆったりしています。
オリジナルの回路通り調整箇所は一カ所もありません。無調整です。
特性は、個々の部品の性能と、精々部品配置や配線に依存します。
簡単な特性を取ってみると
最大出力 3W x2  残留ノイズ 0.2~0.3mv
周波数特性 10~70kHz ±3db
歪み率 0.5% /1W時
歪みは典型的なソフトディストーション(出力に応じて歪み率が増加する)で小出力時の歪みが少なく、各周波数共に揃っているのが特徴です。又、残留ノイズが少ないのは球のバランスが良くとれているのと、チョークコイルのおかげかも知れません。無帰還アンプとしては良い方だと思います。
で、音は?
未だ十分に聞き込んでいないのですが、例のゲンコツとは相性が良いようで、ボーカルなどは雰囲気がでます。
MainのAltecを鳴らしても、常用の真空管OTLアンプと比べるとダイナミックレンジが狭いかなと感じることはありますが、結構朗々と鳴らしてくれます。
マア、3Wと言う小出力アンプですから、スピーカーは能率の高いものが必要ですが、あまり特性など気にせず、オルソンアンプのウンチクなどを読みながら、気楽に音楽を楽しむアンプと言えそうです。