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RIAA アンプ

2013 年 3 月 30 日 土曜日

昨年末のある忘年会で、アナログマニアが何人か参加されており、盛り上がりました。

その時、アナログレコードを聴く会を是非やりましょうとお約束したのですが、よくよく考えてみると、以前に製作したLPを再生するアンプは自室のプリアンプとして使っており、メインのシステムではLPが再生出来ないことに気がつきました。
考えてみれば昨年10月に Norah JonesのLPをアマゾンで買ったときも、聴けなかったし、この際、新しく真空管RIAAアンプを製作しようと思い計画を始めました。
RIAAEQアンプ(と言っていまどきは、知らない人が多いのかな?)だけなので、回路形式をどうするかで悩みました。(と言うより楽しみました。:-) )
真空管プリアンプと言えば、昔からMarantz#7,MacintoshC-22,Quad22が有名ですが、Quad Typeは以前に作って自室で使っています。Marants typeは興味があるのですが、3段負帰還で調整に手こずりそうなので次回に取っておくことにし、今回はMacintosh-C22typeを採用。学生時代に一度作って音がよかったのと、動作が安定していたのが決め手です。(Jazzと相性がよかったと思います。)
mc-22-回路

今回製作したマッキントッシュタイプのRIAAイコライザー回路

RIAAをご存じない方のために…. (WikiPediaの引用です。今時アナログレコードを聴く人も少ないと思いますが……..)
RIAA::Recording Industry Association of America
「機械的な振動を用いるレコードでは、自然の音声の周波数分布において、高音域は音圧レベルが低く、記録波形の振幅も小さくなり、ホコリの影響や電気的ノイ ズに記録音声が埋もれてしまいやすい。一方、低音域の音圧レベルは高く、波形の振幅が過大であると隣接する音溝にも影響し、盤面の溝の送りピッチを大きく する必要が生じて、収録時間が短くなる。そのため、レコードでは原盤のカッティング時に、低音域を減衰させ高音域を強調して記録し、再生時に記録時と逆の 周波数特性をもつ補正増幅器、すなわちイコライザアンプを通して再生することで、再生される周波数特性が平坦になるような手法を用いた。イコライジング特 性は、当初レコードレーベルごとに統一性のないものが用いられたが、後にRIAAの定めたカーブに統一された。この、RIAAの定めたレコード用のイコライザの特性のカーブを「RIAAカーブ」と呼ぶ。」とあります。
要は録音時に、振幅の大きい低音を小さく、高音を大きくしておいて、再生時に逆の特性で高音を下げて低音を持ち上げるという事で、アナログ再生の苦し紛れの規格です。録音時はレコード会社がRIAAの特性に合わせた特性で録音しているため、再生時に正確な逆の特性で再生しなければなりません。

 

まず電源から。
微小信号を扱うアンプは信号系以外は交流を入れないのが原則ですので、電源は外部電源とします。以前作ったQuadイミテーションで採用したTR式のリップルフィルターと定電圧レギュレーターを重ねた電源が安定しているので、今回も採用。
手持ちの部品で出来たのですが、ケースが少し小さく組み立てに苦労しました。
DC300V でリップルは1mV程度に収まっています。
電源内部

ケースが小さすぎて、組み立てが大変

さて、アンプ本体ですが回路は決まっています。
最近は今まで貯めこんだ部品在庫の処分が必須ですので、まず部品箱をかき 回し使えそうな部品をチェックします。足りないCRのみを通販で調達し、現物がそろってから部品のレイアウトを考えます。最短距離で配線するのが基本なの で、色々考えて、写真のような3次元構造に落ち着きました。
初段の出力に使ったデカイ四角いコンデンサーはZEUSの3KV耐圧のマイカコンデンサーで、20年ほど前オークションで手に入れたまま部品箱に眠っていたものです。ここで使わねば棺おけにでも持っていくしかないと思い、今回採用。右側の4個のコンデンサーはSPRAGUE社のその名もOrangeDrop。昔から使っています。
アンプユニット

左の四角いキャラメルのようなものが、マイカコンデンサーです。

RIAAアンプだけなので中身はシンプル。

配線が終わった時点で、ザーッと特性を取りましたが、オリジナルと比べてもあまり見劣りしていないようです。EQだけ取り出したシンプルな構成で、電源も強化しているので悪くは無いと思います。
入出力特性

入出力特性で、出力は22V程でクリップします。
左右ともよくそろっています・

SNについては初段の真空管に依存するので、手持ちの12AX7Aを10種類程選びノイズを比較しました。
当然差はあるのですが、メーカの違いや型番の差もありますが、同じメーカーでも真空管固体の差の方が大きく、計ってみて選ぶしかないようです。現状は選別して無信号時出力ノイズレベルは0.4mV程度です。
RIAA偏差

まあそこそこそろっています。
低域高域が少し上昇気味で少しドンシャリ傾向

歪率特性

右側の低域が少し歪が多いようです。原因は今のところ不明

RIAA偏差もそこそこで、+-0.5dB(-0+1dB)に収まっています。CRを追い込んでいけばもう少し偏差は少なくなると思いますが、あまり気にしません。(スピーカーや部屋の特性を考えればこの程度の差は問題ないかと思います。)Rchの低域の歪率が余りよくないのは部品のバラつきが原因かと思うので、例のマイカコンデンサーを疑っています。暇が出来たら交換してみますが、聴いた限りではその差が分からないので、暫くはこのまま。(我ながらズボラだなぁ)

ということでとりあえず音を出します。我が家のメインの再生装置に接続してもノイズは気にならないので、まずは一安心。

聴きなれたレコードや、最新録音のLPを再生しても、CDと比べてもずーと気持ちが良い音です。サックスやボーカルが前に出てくる抜けの良い音で、特に不満はありません。40年前に作ったアンプを思い出しました。

そばで聞いていた娘も気に入った様で、一応合格点をもらいましたので、お客様に聞かせることが出来そうです。